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テキーラとは?About Tequila

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テキーラとは?About Tequila

  • テキーラとは、メキシコのハリスコ州、グアダラハラ市近郊のテキーラという地域に1700年代から作られている地酒です。シャンパーニュ地方のシャンパンやコニャック地方のコニャックと同じように、テキーラは原産地呼称が世界で認められています。つまりテキーラでつくられなければテキーラとは呼ばれません。それほど特徴のある気候、土壌、職人技や伝統をテキーラでは実感として感じとる事ができます。

    メキシコにはもともと「プルケ」というリュウゼツランの搾り汁を発酵させた醸造酒が西暦200年頃には存在していました。発酵させずとも、アガヴェの芯の部分で自然発酵されることもあります。大昔に山火事が起きたとき、こんがり焼けたアガヴェの中心に酒が出来ていたという話や、鳥がアガヴェの中心に入り込み出てくるとフラフラで飛べなかったので発見されたなどいろいろな話がありますが、1800年以上も前のことですので真相はよくわかっていません。プルケは呑んでみると日本の甘酒にかなり似ています。スペインから蒸留技術が持ち込まれると、プルケを蒸留したメスカルが誕生。メスカルは1538年の課税に関する最古の記録があります。そのメスカルの中からハリスコ州政府の機関「CRT(Consejo Regulador del Tequila)」が厳重に管理しCRTの規則に合ったものがテキーラと呼ばれます。

    蒸留所はNOMと呼ばれる4ケタの蒸留所番号を与えられ、テキーラの瓶には必ずこの4ケタの番号がNOM1103のように記されています。エラトゥーラ(NOM1119)とエル・ヒマドール(NOM1119)のように同じNOMを持つテキーラは同じ蒸留所産だとわかります。最古の蒸留所はクエルボ蒸留所(NOM1122)で1795年創業です

CRT規則の主な内容

ハリスコ州、グアナファート州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州で生育されたブルーアガヴェを使用すること。
ほとんどのアガヴェ畑がハリスコ州、グアナファート州、タマウリパス州ですが、最近ナヤリ州のアガヴェが品質が高く評判になっています。ナヤリ州産アガヴェ使用とわざわざ謳うテキーラも出てきました。
テキーラ村とその周辺で蒸留されたものであること。
2か所の例外を除いて全ての蒸留所がハリスコ州内です。例外はTequilera Corralejo, S.A. de C.V.(NOM1368)がハリスコ州の東側に隣接するグアナファート州 、Tequilera La Gonzalena, S.A. DE C.V.(NOM1127)がかなり北東に離れたタマウリパス州です。この蒸留所は当時の大統領の親戚が経営しておりテキーラから離れているのに無理矢理規則に加えさせたとして大騒動になりましたが、クオリティは非常に高く素晴らしい蒸留所です。
  • 原料は「アガヴェ・アスール・テキラーナ・ウェーバー」を51%以上使用すること。
    アガヴェは海抜1500m以上、年間250日以上の晴天、平均気温20度以上で育ちます。アガヴェ・アスール・テキラーナ・ウェーバーは一般的にはブルーアガヴェと呼ばれ、このブルーアガヴェを51%以上使用し、残りはモラセスと呼ばれる廃糖蜜を使われることもあります。これが「ミックス(Mixto)」のテキーラです。何も加えずにブルーアガヴェのみで作られたテキーラが「100%アガヴェ(100% Agave)」です。日本酒で言うところの純米酒のような感覚です。
  • 最低2回蒸留すること
    これは最低限基準で、Triple Distilledと表示される3回蒸留、私の知る範囲では最高4回蒸留まであります。
    メチルアルコールは3mg/1ml以下であること
    これは世界各国で使用されている国際的な基準ですが、日本に輸入できるのは1mg/1mlまで。これを超えてしまう場合は「製菓用」というタテマエで輸入されます。「製菓用」という表示があるために、テキーラはお菓子作りに使うのですか?と非常によく質問されますが、テキーラを使用したスイーツはあまり聞いたことがありません。
最終アルコール度数は35%から55%の間であること
テキーラは2回の蒸留後、60%台のアルコール度数になります。これに加水をして調整していきます。度数は低いもので35%、最高50%まで商品化されていますが、ほとんどのテキーラが40%前後で商品化されます。 50%のテキーラは力強く非常に美味しく呑むことができます。蒸留所でバレル・プルーフ(シングルモルトで言うところのカスク・ストレングス)を呑ませてもらったことが幾度かありますが、ウイスキーは樽出しが好きな私にも味、香り、アルコールともに強すぎて困る印象でした。
メローイングは1%以下であること
テキーラにはメローイングという味をまろやかにする認定要素を加えることが認められています。グリセリンや木の抽出物であるウッド・エクストラクトなどが認定されていますが、最近は認定要素の種類が増えてきていてハイビスカスやローズのテキーラも現れました。多くはミックスのテキーラに使用され100%アガヴェでは少数派です。
フーゼル油の制限
フーゼル油という悪臭のもとになる生成物の量も規制されています。

テキーラには大きく分けて100%アガヴェ(100% de Agave)とミックス(Mixto)の2種類があります。
上で解説したように、100%アガヴェはアガヴェのみを使用した、いわば「純アガヴェ酒」、ミックスはアガヴェ51%と残りは廃糖蜜由来 のお酒などと混合されることがあります。



日本で流通しているテキーラの多くはミックスなのですが、100%アガヴェの生産量は2006年にミックスを抜き、世界ではいまや主流になりつつあります。ミックスのテキーラにはSilverやGoldなどがありますが、Goldと謳っているものはSilverにカラメルで着色しただけのものが多く、価格にもあまり違いはありません。100%アガヴェのテキーラはラベルに必ず「100% Agave」と表示されています。ミックスのテキーラにMixtoの表示はありません。

100%アガヴェのテキーラには樽熟成の段階に応じて4種類あります。


ブランコ(Blanco)
樽熟成をしない透明なもの(しても60日以内)
レポサド(Reposdo)
最低60日間の樽熟成をしたもの(樽サイズに規定なし)
アネホ(Anejo)
最低1年間の樽熟成をしたもの(樽は600L以下のサイズであること)
本来はAñejo(アニェホ)なのですが表示出来ない場合があるのと、私のように舌をかむ可能性 があるのでアネホ(Anejo)とさせていただいています。
エキストラ・アネホ
(Extra Anejo)
最低3年間の樽熟成をしたもの(樽は600L以下のサイズであること)




アガヴェの香りをストレートに感じるブランコ、アガヴェと樽香のバランスが秀逸なレポサド、樽の香りが美しくゴージャスなアネホ、円熟の極みを感じさせる高額で特別なエキストラ・アネホ、どれをとってもそれぞれの美味しさがあり、全種類一歩もひけをとらない独自の魅力があります。

「100%アガヴェ」「ブランコ」「レポサド」「アネホ」はテキーラのキーワードです。ぜひ覚えてください!